■データに基づくアレルギー性鼻炎の状況
アレルギー性鼻炎の代表格は、春先に皆さんが毎年苦しむスギ花粉症で、2019年のデータでは国民の約40%が病気を持っているといわれています。特に10代から50代の方に限ると約半数がスギ花粉症を発症しているといわれています。
さらにスギ以外の花粉症の方も25%に及び、スギ花粉症の方が多い10代から50代の方の約30%にスギ花粉以外の花粉症にり患しているといわれています。
しかもその割合は10年で大体10%増加してきておりますので2019年のデータから5年以上経ってさらに増加しているものと思われます。
■アレルギー性鼻炎の増加と対処法
春の花粉はマスコミでも大きく取り上げられることが多く注目されがちですが、スギ花粉以外の花粉症も増加してきています。
特に秋にはブタクサ、ヨモギ、カモガヤなどの花粉症に加えて温度変化によるダニ、ハウスダストによる通年性アレルギーの方も増えてきます。ですから、秋に急に鼻水が出てきて、鼻が詰まってきた場合、風邪ではなくアレルギー性鼻炎の可能性もあります。
風邪薬が効きにくい場合や風邪薬を中止するとすぐ症状が出てくる場合は、アレルギー性鼻炎の可能性が高く、適切な抗アレルギー剤の服用などの症状に応じた治療が必要となってきます。
最近は様々な抗アレルギー剤が市販されており薬局でも手軽に入手可能ですが、抗アレルギー剤は種類が多く、適切に選択しないと十分な効果が得られない場合もあり、なかなか症状が改善しない場合は、耳鼻咽喉科を受診した方が早く症状が楽になる場合も多いです。
■専門医の重要性と難治性副鼻腔炎の現状
さらに、最近では好酸球性副鼻腔炎というアレルギーが原因で発症する難治性の副鼻腔炎がかなり増えてきており、その場合はその病気の特別な治療が必要となる場合があり、耳鼻科での診断は大変重要になります。