鼻中隔湾曲症とは
鼻中隔が曲がっていても「異常」ではありません
まず、鼻中隔とは、簡単に言うと「左右の鼻の穴の間にある仕切り」のことです。意外に思われるかもしれませんが、ほとんどの方の鼻中隔は、左右のどちらかに曲がっています。どのくらい曲がっているかは人それぞれであり、日常生活において問題がない限り、矯正の必要はありません。
治療が必要になるケース
鼻中隔の曲がり具合が大きいことで、鼻詰まり、鼻出血の頻発など、日常生活に支障をきたすような症状が認められる場合には、治療が必要になります。湾曲を治すことで、症状の改善が期待できます。
原因
鼻中隔は、「鼻中隔軟骨」「篩骨正中板」「鋤骨」と呼ばれる軟骨・骨で構成されています。それぞれが成長する過程で少しずつズレを起こすことで、次第に鼻中隔が曲がってしまうのです。
症状
鼻中隔の曲がり方には、いくつかのタイプがあり、人によって異なります。また、外から見て曲がっていなくても、鼻の中では曲がっているために症状を起こすものも珍しくありません。
鼻の湾曲以外の症状としては、主に以下のものが挙げられます。
- 鼻詰まり
- 鼻出血
- アレルギー性鼻炎の悪化、慢性化
- 頭痛、片頭痛
- いびき
- しつこいくしゃみ
- 味覚障害
- 嗅覚障害
検査方法
専用の器具で鼻の穴を広げて観察することで、ほとんどのケースにおいて正確に診断できます。
必要に応じて、内視鏡やCTを使った検査を行います。
治療方法
経過観察・保存療法
鼻中隔湾曲症は、日常生活に支障をきたすような症状がなければ経過観察とし、軽度の症状がある場合には保存治療を行います。
手術
症状が気になる場合には、ご希望をお伺いした上で、内視鏡を使った鼻中隔湾曲症の手術を行います。「鼻中隔矯正術」と呼ばれる術式です。湾曲した軟骨・骨を部分的に切除することで、鼻中隔を真っ直ぐに矯正します。内視鏡で行う手術なので、顔面、歯ぐきなどを切開することはありません。
※なお、発育途中の鼻中隔矯正術は、逆に骨格の成長に悪影響を与えるおそれがあります。鼻中隔矯正術は、19歳以上の方のみを対象としております。
治療期間
鼻中隔湾曲症は多くの場合、手術後1~1か月半程度で治療(通院)を終えていただけます。