大阪市の耳鼻科|中耳炎・副鼻腔炎なら多田耳鼻咽喉科医院 
住所:〒558-0033 大阪府大阪市住吉区清水丘2丁目23−21 
電話番号:06-6671-1058
2022.05.18

舌下免疫療法


【目次】
・花粉症・ダニアレルギーの根本治療!? 舌下免疫療法とは
・舌下免疫療法の効果
・このような方にお勧めです!
・舌下免疫療法の流れ
・治療にかかる費用
・舌下免疫療法の注意点
・よくある質問

■舌下免疫療法とは?花粉症・ダニアレルギーの根本治療!?
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を微量ずつ長期間にわたり投与することで、アレルギー反応を起こしにくくする状態を作り出すアレルギー免疫療法(減感作療法)のひとつです。

スギ花粉とダニ(ハウスダスト)の2種類のみが免疫療法の対象で、いずれも当院は認定施設になっています。一時的な治療ではなく、永続的な効果が期待出来る体質改善のための有用な治療法です。

花粉症やダニ・ハウスダストアレルギーで悩まれている方々には大きな期待が寄せられている治療法であり、すでに当院で治療を開始した患者さんでも効果が見られている方がおられます。重症のアレルギー性鼻炎の患者さんに是非ご検討頂きたい治療法ではありますが、注意点もいくつかあります。

■舌下免疫療法の効果
以下の効果が期待できます!
 ・くしゃみ・鼻水・鼻づまりの改善
 ・涙目・目のかゆみの改善
 ・アレルギー治療薬の減量
 ・生活の質の改善

 舌下免疫療法はアレルギーの原因物質に対する免疫反応そのものを改善しますので、根治療法となる可能性があります。3年以上治療を継続できれば、根治まで至る方も含めて、多くの方に効果を実感していただけるといわれています。(効果がない方も一定程度存在します)
 完全に症状が消失しなくても、使用する薬の量を減らすことができたり、服用が必要な期間を短縮することができる可能性があります。

  • ■このような方にお勧めです!
    スギ花粉症、ダニ・ハウスダストのアレルギー性鼻炎でお悩みの方には、みなさんにお勧めですが、特に下記のようなかたにお勧めしています。
    ・アレルギー症状が強く、医療機関で治療を受けないと症状が治まらない方
    ・治療薬がたくさん必要で、症状を改善、または薬を減らしたい方
    ・薬を服用すると眠くなる、胃腸症状が出るなど、副作用が気になる方。
    ・まだ若いので、これからずっと毎年症状に悩むのか考えると心配な方
    ・アレルギー症状が勉強や仕事に支障となるので、少しでもよくしておきたい方。
  • ・鼻みずやくしゃみが問題となる職種についている方
    ・将来、妊娠した際に薬が使えないのが不安な方
    ・中高生でダニアレルギーや花粉症が受験勉強の妨げになるのを避けたい方
  • ■舌下免疫療法を受けられない方
    ・ 5歳未満の方、65歳以上の方
    ・ 近いうちに妊娠を希望されている方 現在妊娠中・授乳中の方
    ・ 重い気管支喘息の方
    ・ 癌や免疫系の病気のある方
    ・ ステロイドの内服や注射の投与をされている方

■舌下免疫療法の流れ
【初診・検査】
ご希望の方は、診察時に「アレルギー検査」を受けていただきます。
※3年以内のアレルギー検査の結果の用紙をお持ちの方はご持参いただければアレルギー検査は不要です

【検査結果の説明・治療開始】
検査の結果を説明し、スギ花粉症またはダニアレルギーが確定したら舌下免疫錠を処方し、その後、舌下免疫療法を開始します。

【初回投与】
医師の指導の下に、初回投与量を診察室で服用していただき、30分間待合室で経過を観察します。特に副反応等の問題が無ければ帰宅していただきます。その後、ご自宅で1週間、初回投与量を服用します。

【2回以降の投与】
1週間後の再診時に、ご自宅での状況や副反応の有無を伺います。特に問題がなければ維持量に増量し、ご自宅での服用を行います。これ以降は月に一度の定期受診となります。
*初回投与後に副反応がみられた方は、医師の判断で2週後に再診していただく場合もあります。

■治療にかかる費用
3割負担の方で1ヵ月の治療費は、スギで約2,500円、ダニで約3,000円 となります(診療費と薬局での薬代の合計)。また、治療前の採血検査時には5,000円程度必要です。特に6歳から治療開始が可能で、こども医療費助成制度も利用できますので小さなお子様にはおすすめです。

  • ■舌下免疫療法の注意点
    ・ 1ヵ月に1回の通院が長期に必要です。
    ・ 3~5年間、症状がない時期も毎日お薬を飲む必要があります。
    ・ 副作用としてアレルギー反応が起こる可能性があります。
    ・ 根治する患者様もみえますが、2割程の方には効果が期待できないことがあります。
    ・ すぐに効果のある治療でないことをご理解ください
    ・ スギとダニの舌下免疫を同時に開始できません。まずは、一種類から実施し、2種類目は半年間期間を明けてからの実施となります。
    ・ スギ花粉症の方、検査結果によりのスギ花粉症が発症していなくても発症する可能性がある方には、1月〜5月の治療開始はできません。
2022.02.14

副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎に対するセルフケアー1

【耳鼻咽喉科専門医師が教える】私はハナクリーンSをこのように活用している

 

■鼻洗浄器具について

当院では副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の患者様に対してご自身で手軽に鼻洗浄(鼻うがい)ができる東京鼻科学研究所というメーカーのハナクリーンSという洗浄器具をお勧めしております。このメーカーからはハナクリーンα、ハナクリーンEXという機種も販売されておりますがハナクリーンSの最大の特徴は構造が単純で他の機種のようなポンプ機能がないためまず故障することがなく、気軽に扱えることと価格が安い点です。私は8年前に購入したハナクリーンSをいまだに活用しております。ちなみに私はアレルギー性鼻炎があり、アレルギー検査ではハウスダストとダニに中等度の反応があり、スギとヒノキにも若干反応があります。花粉に対してはあまり症状が出ないですがホコリを吸ったり、温度変化などでくしゃみや鼻水が止まらなくなることがあり、その際、抗アレルギー剤やハナクリーンSのお世話になっています。

■鼻洗浄の期待できる効果

鼻洗浄の効果は鼻粘膜の加湿、加温、膿性または粘調な鼻汁の排出などといわれておりますが、学術的な報告は置いておいて、私自身で行っている印象でも鼻詰まりはかなり改善しますし、ねばい鼻水は洗浄でかなり洗い流されるのと洗浄後の鼻かみでかなり排出されますのでかなり鼻がすっきりします。アレルギー性鼻炎の際の鼻症状や風邪ひきによる鼻症状など原因にかかわらず効果があるように思います。

■ハナクリーンSの活用方法

当院を通院されている皆様もすでにご活用されている方は多いと思いますが、中には購入はしたが面倒で活用されていない方や洗浄中、洗浄後の鼻の痛みなどの不快感、洗浄液が後から鼻やのどに排出されてくることなどがネックになり使用を中断されている方もおられると思います。それらの方々に対してまずは私がどのように活用しているのかをお示しして参考にしていただければと思います。

私が8年前に購入したハナクリーンSです。その当時まだ週に1度勤務していた寝屋川の小松病院に隣接する調剤薬局で購入しました。使用頻度は平均すると月に数日程度ですので外観もまだきれいです。感覚的にはこのペースで行くと半永久的(生涯!)に使用できるのではないかという感じがします。

使用説明書の中には100度の熱湯と水を混ぜて約40度のお湯を作ることになっており、親切にもここまで熱湯を入れてここまで水を入れると40度のお湯ができるというラインまで器具に刻印されておりますが、熱湯を作るのが面倒なので給湯器の水温を45度に設定し、約1分間流しっぱなしにすると大体40度ぐらいのお湯が出てきますのでそれを使用しております。ちなみに私は通常は少し放置して本体についている水温計で38度の温度に下げてから洗浄しております。この温度は推奨されている40度から42度よりやや低いですが最も刺激が少ない印象です。

洗浄器具購入時には洗浄液を作る薬剤「サーレ」が10袋付属しておりますが、無くなった後は塩を使用しております。私は当院の最寄り駅である住ノ江駅の下にあるイオンで購入した塩を使用しておりますが、なんでもよいと思います。これを小匙1/3杯、約1.5gを容器に入れ、よく振った後に洗浄します。この時によく振るのがかなり大切で、濃度が均一でなく薄い部分が残ると洗浄時には鼻に強烈な痛みが襲い掛かります。ねぼけて振らずに洗浄するとその時の痛みで眠気がぶっ飛びます。痛みは私の場合翌日まで続き結構うっとうしいので必ず良く振ってから洗浄しますが、時々忘れたころにやらかしてしまいます。

塩はラップに数十グラム包んで取り出しやすいところに置いておいて、そこから使用しております。塩を台所から取り出すのは面倒ですので手間がかなり軽減されるように思います。塩や小匙、ハナクリーン本体などは一か所にまとめておいた方が活用しやすいですね。

■実際の洗浄動画

実際の洗浄は動画の様に右鼻から入れて左鼻から出し、左鼻から入れて右鼻から出すという具合に左右交互に洗浄を2回ずつ、計4回行っております。この時、器具を最大限に押さえると大体3回で洗浄液が無くなりますので1回の量を少し少ない目に洗浄し4回洗浄しております。

鼻洗浄後は器具を洗いますが水洗いでざっと洗い、器具内に水を貯めて噴出させることによりチューブの内部も洗浄します。洗浄後は拭けるところはティッシュで拭きますが器具の内腔やチューブの内部は自然乾燥です。これで今までカビが生えるなどのトラブルに見舞われたことはありません。

大体鼻洗浄に係る時間は約5分程度です。

私の鼻洗浄の流れをご覧いただきましたが、如何でしょうか?皆様のご参考になれば幸いです。また、皆様の洗浄方法や活用方法に関しても何かご意見やご提案などあればメールででも診察の際にでも教えていただければと思います。

ハナクリーンを活用し快適な鼻をゲットしましょう!

2022.01.31

そろそろ花粉症対策は如何でしょうか?

2月に入りますとそろそろ花粉症が気になるところです。アレルギー性鼻炎の治療ガイドラインによると季節前投薬は意味がないとされており、花粉の飛散の開始と同時に服用を開始していただくということでよいと思いますが、花粉の飛散が始まるころは外来が込み合いますので、事前にお薬を入手していただくのも悪くないと思います。そろそろ花粉症の準備をなさっては如何でしょうか?

また、毎年かなり重い症状に悩まされている方、受験や就職などで症状をどうしても押さえたい方などにはゾレア(一般名オマリズマブ https://hajimete-xolair.jp/ )という選択肢もあります。これは生物学的製剤で月に1度か2度の注射で強力にアレルギーを抑えますので、かなり強い症状も強力に押さえられます。費用は3割の負担でしたらやや高額になります(投与量は体重と血中のIgEの量で決まり、3割負担で一月に数千円から数万円かかります。)が学生の場合は500円で済みますし、価値があると思います。また、当院外来でご相談させていただければと思います。
2021.11.30

副鼻腔炎と頭痛の関係

■副鼻腔炎とは

鼻や目の周囲には副鼻腔という空洞がいくつかあり、顔面や脳のなどの重要な臓器を保護するためのクッションの役割や声を響かせたり、異物、ウイルスや細菌の排除などの役割を果たしております。副鼻腔は目の上にある前頭洞、目と目の間にある篩骨洞、目の下にある上顎洞、上顎洞や篩骨洞の裏側にある蝶形骨同に分かれておりそれぞれの空洞にはそれぞれ出入口がありその出入り口を通して空気が出入りしたり空洞内の粘膜から分泌される粘液を排出することで空洞の内部に空気が充満したきれいな状態に保たれています。

ところが風邪やアレルギーなどの炎症により空洞の出入り口の粘膜が炎症を起こし腫れると出入口が狭くなり空気の出入りや粘液の排出がしにくくなり、さらに鼻の中で細菌の感染がおこると空洞内部に膿が貯まり、その結果さらに粘膜の炎症が強くなり出入口がさらに強くふさがってしまい膿が出にくくなる言う具合に炎症が長引くサイクルに陥ってしまいます。

■副鼻腔炎の症状

単なる風邪による鼻炎の場合は1週間から10日ぐらいでのどの痛みなどの風邪症状の改善に伴って鼻詰まりや鼻汁などの症状が改善することが多いですが、副鼻腔炎が加わると風邪症状が改善後も鼻水や鼻詰まりなどの症状が続くことになります。

特に急激に炎症が強くなり副鼻腔内に膿が急にたまってきた場合たまってきた膿が副鼻腔の壁を圧迫することで頭痛や顔面痛の原因となります。
この貯まった膿の量は一定ではなく膿が増えると膿の圧力により狭くなった副鼻腔の出入り口から膿が排出するため少し疼痛が改善し、また膿が増えると痛みが増すという具合に時間帯によって疼痛が悪くなったり、改善したりすることがあります。

また、歯の根っこの化膿性の炎症が原因で副鼻腔炎を来す歯性上顎洞炎の場合は風邪の症状がなく代わりに歯痛などの歯の症状を伴って頭痛を来す場合もあります。この場合は左右のどちらか歯が悪い側に痛みが出ることが多いです。

副鼻腔炎に伴う頭痛は膿が貯まっている副鼻腔の部位に一致して疼痛が現れる場合があり、上顎洞の場合、頬っぺたや歯の痛み、前頭洞の場合はおでこの痛み、篩骨洞の場合は目と目の間やこめかみの痛み、蝶形骨同の場合は目の奥の痛みなどを来す場合があります。ただ、複数の副鼻腔に炎症を来してる場合は部位がはっきりしない場合もあります。

以上の様に風邪症状やアレルギー性鼻炎の症状、特に黄色い鼻水や鼻詰まりなどの鼻症状を伴う場合や歯痛などの歯の症状を伴う場合、頭痛の原因は副鼻腔炎の可能性がありますので、このような場合はまず耳鼻咽喉科医を受診して副鼻腔炎の診断を行う必要があります。

■副鼻腔炎の診断

診断は副鼻腔の出入り口から膿の排出が認められた場合は鼻の中を見ただけで診断が可能ですが、膿の排出がごくわずかな場合や出入口が完全に閉塞し全く膿が流れ出てこない場合は見ただけでは診断がむつかしく、CTスキャンやレントゲン検査が必要となります。

 

■副鼻腔炎の治療

治療は症状に応じて鎮痛剤の服用と抗生剤、抗アレルギー剤、痰切りのお薬の投与、鼻洗浄や鼻処置、ネブライザーなどの処置などの保存的治療により行います。これらの治療により副鼻腔の出入り口の粘膜の腫れが収まり内部の膿が出ていくと頭痛などの症状は改善します。

 

これらの治療を行っても症状が改善しない場合や症状が繰り返される場合は鼻副鼻腔手術を行う場合もあります。特に目が見えにくくなったり物が2重に見えるなどの目の症状が出る場合や抗生剤が効かないため高い熱が下がらず炎症がどんどん悪くなる場合などはごくまれに緊急手術が必要となる場合もあります。ただ、大半の症例は投薬や処置などの保存的な治療で症状は改善します。
保存的な治療の中で鼻洗浄はご自宅でも施行可能な治療で、特に当院ではハナクリーンという器具を用いた洗浄を推奨しております。詳細は別稿でご紹介させていただきますのでご参照いただければと思います。

2021.09.28

コラムを掲載します。

こちらでコラムを掲載する予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

2021.08.31

風邪症状のある方は来院前に電話でご連絡ください!

発熱のない新型コロナ患者さんが増加しております。 発熱がなくても咽頭痛、咳、鼻閉、嗅覚障害などの風邪症状がある方は来院前に電話でご連絡ください。 よろしくお願いいたします。
2021.04.13

当院のコロナ対策

当院では新型コロナ対策を講じております。新型コロナの院内感染が怖いため受診しないと無治療の病気が悪化し重症化したり治らない場合もあります。やはり過度な受診抑制は避けていただき適切な診療を受けていただくのがよいと思いますし、安心して受診していただける対策を当院では講じております。

詳しくはこちら

2020.12.15

難治性の好酸球性副鼻腔炎に対してデュピルマブ(製品名デュピクセント)の投与を始めました!

難治性の好酸球性副鼻腔炎に対してデュピルマブ(製品名デュピクセント)の投与を始めました。 鼻閉や粘り気のある鼻汁がなかなか改善しない方、特に喘息やピリンアレルギーなど強いアレルギーを伴っている方は一度ご相談ください。 当院では難病指定の手続きも行えます。
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